ENERGY

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地産地消 Direct Use

飯島 大輔

Daisuke Iijima

JICA 資源・エネルギーグループ課長

学生時代に青年海外協力隊に参加、タイの地方で体操を2年間指導。そのあと、世界の環境問題に関心を持ち、JICA(国際協力機構)に入り、水資源・環境・エネルギー分野のプロジェクトに携わってきた。海外滞在はインド3年8か月、イギリス留学1年、エジプト2年、タイ2年半。エジプトナイル川灌漑、ガンジス川・パレスチナ・ベトナム・イラクの下水道事業、ニカラグア、ウルグアイ水銀問題、マラウィ・シエラレオネ・エチオピアのエネルギー問題など、30か国以上で活動してきた。趣味はクライミングでインドでは灼熱の中、岩にへばりついていた。

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これは私が駐在していたインドの写真で、エネルギー×牛の話なんですけれども。ちょっと汚い話ですみませんが、インドでは牛の糞、Cow dungがまさにエネルギー源なんですよね。街の中で、皆さん牛を飼っているんですよ。インドでは、牛は神様なのでその辺にたくさんいるんですよね。牛がいろいろと落としものするじゃないですか。その落としものを拾う人がいて、コミュニティの中では、その拾ったものを写真の左下にある大きなタンクに集めて発酵させているんです。そうすると、そこからメタンガスが出て、そのガスが民家の台所に繋がり、調理用のガスコンロに使えるというシステムなのです。これはバイオガスシステムといって結構開発途上国では使っている国が多いです。

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こちらは西アフリカのシエラレオーネという国ですが、未電化地域を電化するプロジェクトをやっておりました。下の写真が電化した街ですが、プロジェクトで供与した電線と電柱などです。街にはテレビや夜でも販売できるキオスクなどがあります。左上のほうは、発電バージ船といってトルコ企業のディーゼル発電船です。なおも足りない電力を、シエラレオーネはこの発電船から買っているのですね。ディーゼル発電機が何基も搭載されている船は、年単位の契約によりその間ずっと停泊して電力を国に供給し続けています。そういう国も世界にはあるということを、皆さんに知ってもらいたいと思います。船から電気を供給してもらっている国があるってことを。あと右の写真はおまけですが、少年の頭の上にあるのは炭(チャコール)なんですけども、頭の上に器用に載せて運んでいます。

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次の写真はエネルギーとは直接関係ないですが、面白いので紹介します。これは私が2年間滞在したエジプトです。このトラックは時速約90キロで走っていて、私は乗用車でこのトラックとほぼ並走していました。まっすぐで見通しが良く、単調で平坦な道で、当然ながら信号もありません。すると助手席から人が出てきて、窓ふきを始めたんです。初めは横の窓、次にトラックの前に乗り出してきて今度は前の窓。器用にサイドミラーなどをつかみながら。エジプトは砂漠の国で、道路がフラットでストレートなんですが、これはさすがに私も驚きました。アメージングエジプト!って、シャッター押しました。世界にはまだまだ我々の常識が通用しない国や習慣がたくさんあるな、と改めて感じた瞬間の1コマです。