ENERGY

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言葉。それは心と五感を充すエネルギー。(Words. They are energy that fills the heart and the five senses.)

永方祐樹

Yuki Nagae

詩人(Poets)

2012年「詩と思想」新人賞、2019年『不在都市』(思潮社2018)にて歴程新鋭賞を受賞。テキストベースの詩作の他に、映像や音・自然物などを使用して詩を立体的に立ち上げる「立体詩」を国内外で展開し、アイオワ大学やハーバード大学世界文学研究所サマーセミナーin 東京大学、フランス・サンレミ美術館などで実施。2019年6月には翻訳者・比較文学者・映像人類学者・詩人を発話者とするマルチメディア多言語詩制作パフォーマンス「おと/ずれる言語」(三鷹SCOOL)を主催・企画。

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これは私が立体詩としてやっているパフォーマンスの最中なんですけれども、詩を7カ国語に訳して、その7カ国語の朗読を流していって、そこから自分が聞き取れたものだけを採取していく。その採取していったものをさらに音声化していくことで、世界言語での詩の再構成をするというような実験的パフォーマンス、言語パフォーマンスですね。これは東大でやってるんですけれども、ハーバード大学の世界文学研究所サマーセミナーのイベントでした。で、こういうのをやってますよということで、ひとまず提示いたします。

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朗読音声を流しながら話します。
言葉とは何かを、いつも考えています。いつでも同じ手触りを返す、ひんやりと静止した記号との違いについて。これはひとつのイマージュです。音、形、意味の立体性を持って立ち上がる熱量のあるエネルギー体。それは他の核と触れ、絡み合い、弾き合いながら、いっそう激しく燃え、消えてゆきます。一瞬の放電。そのほとぼり。余韻。それらを私は詩、ポエトリーと呼んでいます。

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Words-3

これは実際に、最初の詩の所と、あとそれを抜き出していっているところですね。
大体いつもどういう感じでやるかっていうと、英語圏でやる場合は、英語をベースにします。フランス語圏でやる場合はフランス語、韓国語圏は韓国語、みたいな感じで、ちょっと詩を流してみますね。これは英語圏でやったときの、この痕跡ですね。<英語音声>フランス語圏のときはこの、っていう感じですね。
<仏語音声>韓国語だとこのように。<韓国語音声>っていう感じに、痕跡の言葉が採取されるというような仕組みでした。で、実際に皆さんに、聞いてみて、どういう感じになるかっていうのを聞いてみてください。どれが聞けるか。<同時複合言語音声 >こういう感じになったときに、母国語の日本語は聞こえるし、英語などの親しみのある言語は聞き取れるけど、フィンランド語など、ほとんど知らない言語の事は、あまり聞き取れない。キャッチ出来ない。つまり、人は自分と距離の近い言葉や音しか聞き取れない、聞き取らないという事です。