昆虫食を除外しない社会を実現するためのデザインを見つけたい。I am willing to find a design that implements a community that does not exclude entomophagy.

佐伯 真二郎

Shinjiro Saeki

NPO法人 食用昆虫科学研究会理事長

2006年、学祭講演でムツゴロウ氏の「実験動物は全部食べてみた」発言に感化されいろいろな生物を食べ始め、2008年、昆虫にも着目し美味しく食べるため「昆虫料理研究会仙台支部」を設立。 2011年からは食用昆虫科学研究会に合流し精力的に研究開発を行う。食品科学と昆虫学とを組み合わせた新しいコンセプトの昆虫料理の開発や、保健NGOと共同でラオス農村部の栄養を昆虫養殖で支援するための技術開発を担当している。

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Edible Insects-1

これは私が6月から始めたバッタの養殖システムです。色々な場を探していたのですが、借家のクローゼットがちょうど良かったのでここを勝手に改造しました。温度を高く、湿度を低く設定して、バッタが効率よく育つ仕組みを考えて作っています。安定的にバッタを供給することで、ラオスの人たちの栄養状態の向上をゴールにしています。除湿器をバンコクに買いにいったのですが、それが12 kg あって重かったです。

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Edible Insects-2

これは、ラオスとタイにある、食用の昆虫を集めている場所です。竹竿の上にあるのがブラックライト。下にあるのがもう一つのブラックライトで、そこは滑り台になっています。滑り台が落ちた先に水をはった盥を置いておくと、昆虫が集まります。9月になると、一晩で2キロも取れるそうです。こういうテクノロジーを使って、昆虫の行動をコントロールしながら養殖したい。僕が行ったのは8月だったので、100 g〜 200gだったんですけれども、一晩で2キロ取れた時の写真を見せてくれたその人は、テニスラケットの鞄の中にみっちり入っていました。

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Edible Insects-3

これもラオスの借家の様子です。蛍光灯にヤモリが来ています。ヤモリは光に集まる性質があるわけではなく、何かを目指して来ています。虫です。(笑) 注目したいのはヤモリの行動です。灯のあるところにやってきて、何も苦労しなくても、美味しい昆虫が毎晩食える。そういうずるさとか怠ける心というのを、デザインに反映していくというのも、一つのエネルギーデザインじゃないかと考えました。このヤモリ、僕のベッドルームに入ってくるのですごくうざいです。ケッケッケッケって鳴きます。